今年度は、前年度までに作成した「Webページのデータに関わる情報と、それ以外のノイズとなる情報に分類してWebページ分割を行なうシステム」「分割された各要素の中から、Webページの重要文を抽出する自動要約システム」「テキスト以外の画像情報として、各Webページに含まれる適切な文字ラベルが付与された画像を、Webページから抽出するシステム」「できるだけ異なる話題を含むようにWebページを分類して提示するシステム」から得られる情報を提示する順序を決定する指標を作成した。 すなわち、断片的な情報をばらばらのままで扱うことは発想支援にはつながらず、得られた多くの情報を系統的にまとめあげる指標およびインタフェースが必要であると考えた。そこで、テキスト情報であれば、それらがユーザの思考におけるひとつの観点<主題>に基づいてストーリーが作成され得る順序に関する指標を作成した。加えて、ユーザが情報を整理し、情報をまとめ上げるための次の2つのインタフェースを構築した。 ひとつは、キーワードをベースに情報の取捨選択を支援するインタフェースであり、いくつかの指標の中から、ユーザが望む指標に基づいて情報の並べ替えを行い、情報の優先順位を提示する。ユーザが指標の選択を行い、結果を閲覧するという2つの操作の組み合わせと繰り返しにより、ユーザの積極酌な思考支援を促す。このインタフェースにより、ユーザの感覚に合った順序付け支援が実現でき、自らの順序づけの意味を与えるための積極酌な思考につながることを実験により確認した。 また、複数の情報の違いを簡潔に説明できる観点の発見と、その解釈を支援するインタフェースを作成した。これは違いが生じている部分とその情報の出所を視覚的に認識させる動画インタフェースを用いることで実現し、一般的な情報比較の方法に比べてその解釈が支援できることを実験により確認した。 今後は、これらのインタフェースを用いて、この環境がアイデア創発に有効であることを検証するため、特にアイデアの質を高めるための仕掛けを導入し評価していく。
|