研究課題
本研究の目的は、既存の3Dスキャナが抱えている問題点である、高額であること、大きくて扱いにくいこと、の2点を解決し、単純で扱いやすい3Dスキャナを開発することである。具体的には、撮像装置としてビデオカメラ1台だけを用い、機械的な制御を一切用いない単純な構造とし、計測装置としては、ラインレーザポインタにLEDを固定したものを利用し、計測の際にはこの計測装置を手に持ち、対象物体を自由に照射しながらビデオカメラで撮影する。平成17年度の研究成果のうち主な点は、計測した形状データの精度向上手法である。本システムでは、全周形状を獲得するために複数の方向から形状を計測し、その後位置あわせを行い一つの形状に統合を行うが、その際個々の形状が持つ計測誤差により、統合結果の品質が低下するという問題があった。形状推定誤差は主に視線方向に大きいという特性を持つため、これを利用し、各視点から計測したデータを視線方向にのみ移動しながら誤差評価関数を減少させるアルゴリズムを用いれば、精度向上を実現することが出来る。このようなアルゴリズムの実装として、各ポリゴンについて繰り返し処理により実現する手法を提案・実装し良好な結果を得た。また、その他の成果としては、前年度に行った回転台による全周形状の取得手法の自動化がある。これは、これまでパターンを印刷した紙などを回転台に取り付け、事前に回転台のキャリブレーションを行う必要性があったのに対して、回転台に取り付けたLEDを計測と同時に撮影することで、オンラインでキャリブレーションを実現する手法である。提案手法により事前のキャリブレーションの手間なく高い精度で全周形状を獲得できるようになった。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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