研究課題
本研究の目的は、既存の3Dスキャナが抱えている問題点である、高額であること、大きくて扱いにくいこと、の2点を解決し、単純で扱いやすい3Dスキャナを開発することである。具体的には、撮像装置としてビデオカメラ1台だけを用い、機械的な制御を一切用いない単純な構造とし、計測装置としては、ラインレーザポインタにLEDを固定したものを利用し、計測の際にはこの計測装置を手に持ち、対象物体を自由に照射しながらビデオカメラで撮影する。平成18年度の研究成果の主な点は、形状のみならず色に関しても、違和感のない統合の実現である。また、LEDがさらに少ない場合でも3次元計測可能な手法に関して、その基礎研究を行った。さらに、これら成果を国内外において発表を行った。以下にそれぞれの成果について述べる。(a)形状の統合に関して非常に多くの研究がこれまでなされてきている一方で、色に関しても、違和感のない統合方法について盛んに研究されてきてはいるものの、未だ効率の良い方法は提案されていない。そこで、平成18年度は、反射特性の解析に的を絞って、違和感のない色の統合を実現した。またアルファブレンディングにより、残る誤差による統合時の違和感も解消した。(b)これまで提案してきた手法では、計測装置にLEDマーカを設置し、これを撮影することで位置決めを行っている。ところが、実際の計測場面においては、LEDマーカが撮影範囲から外れることがしばしば起こる。現在のところ、その際には3次元復元することが出来ない。そこで、LEDが撮影されていない場合でも、レーザ軌跡のみで3次元復元する手法に関する基礎的な研究を行い、理論計算および証明を完了し、さらに実験を行い基礎固めを行った。(c)3次元計測やモデリング等ではトップクラスに類する査読つきの会議である、IEEE International Symposium on 3D Data Processing, Visualization and Transmissionで発表を行った。また、国内最大のコンピュータビジョンの会議である、画像の認識・理解シンポジウムで、研究成果が最優秀論文候補に採択され、口頭による発表を行った。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
18th International Conference on Pattern Recognition 1
ページ: 975-979
画像の認識・理解シンホジウム 1
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ページ: 636-641
IEEE Proceedings of Third International Symposium on 3D Data Processing, Visualization and Transmission (CD-ROM)
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情報処理学会研究報古CVIM-156 Vol. 11
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