研究課題
平成17年度においては、モバイルカメラを用いて湾曲した紙面を撮影し、紙面の形状を自動推定するための手法を開発し、試作システム上への実装を行った。また、研究会、国際会議等での口頭発表およびデモ発表により研究成果を広く公開した。具体的には、まず、従来から申請者らが開発してきた平面を対象としたビデオモザイキングシステムをベースに拡張を行い、紙面形状の推定処理が可能な試作システムを開発した。また、処理の高速化を行うことで、実用的な処理速度でモザイク画像を生成することに成功した。試作システムを用いた実験から、得られたモザイク画像上において幾何学的な歪みがおおむね正しく補正できることを確認したが、光学的には影の影響が残り、人間の目には未だ湾曲しているかのように錯覚されるという問題が発覚した。そこで、影の影響を取り除くため、新たに紙の色が白であるという事前知識を用いて陰影の除去手法を開発し、試作システム上への実装を行った。その結果、最終的に幾何学的にも光学的にも湾曲が補正され、正しく平面状に展開されたモザイク画像を生成するシステムを開発することに成功した。また、定量的な評価についても実施し、距離、角度に関する歪みがどちらも1%未満であることを確認した。このことから、本手法は、個人的な画像アーカイブや、インターネット経由での書類データの送信等の用途において、実用的な精度での復元が行えることが分かった。今後、更なる計算コストの削減により、携帯電話等のカメラ付き電子機器への搭載が可能となる見込みである。
すべて 2006 2005
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