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2005 年度 実績報告書

視覚的注意機構を考慮した眼球運動神経系の制御モデル

研究課題

研究課題/領域番号 16700188
研究機関近畿大学

研究代表者

小濱 剛  近畿大学, 生物理工学部, 講師 (90295577)

キーワード眼球運動 / 固視微動 / 視覚的注意 / 上丘 / 脳幹 / 第一次視覚野 / モデル / シミュレーション
研究概要

本研究は,視覚的注意機構と眼球運動神経系とがほぼ同一の神経機序の上に成り立つことを示した心理物理学・神経生理学的知見に基づき,視覚的注意機構の機能を考慮した眼球運動神経系の制御モデルの構築を目的とするものである.
本年度の成果として,一点を固視している状態で発生するsquare-wave jerkに着目し,これを再現する固視微動の数理モデルの構築を行った.一般的なサッカード眼球運動の数理モデルに対し,大脳皮質からのサッカード計画に関する信号と,中脳上丘の注視制御機構からの信号を考慮して拡張を行い,square-wave jerkの再現を試みた.
square-wave jerkとは,マイクロサッカードと呼ばれる微小な視線のジャンプが,約100msの短期間に連続して発生することにより形成される眼球運動の波形である.すなわち,マイクロサッカードよって注視目標からズレが生じたとき(これをポジション・エラーと呼ぶ),別のマイクロサッカードを発生させることにより,自動的に補正する(これをポジション・コレクトと呼ぶ)機構が存在していると考えられる.
本研究では,ポジション・エラーとして発生するマイクロサッカードが,上丘中間層における,注視細胞とサッカード細胞との相互抑制的制御機構のノイズ的活動に起因するものと仮定し,注視細胞の活動の低下によって,近辺のサッカード細胞が十分に抑制しきれなくなったとき,マイクロサッカードが発生してポジション・エラーとなると考え,この動作をモデルに実装した.
また,ポジション・エラーからポジション・コレクトまでの時間間隔が,特殊な環境において発生するエクスプレス・サッカードの潜時と,ほぼ一致することから,これらに共通のメカニズムが存在する可能性を指摘し,この機構をモデルに組み込むことでsquare-wave jerkが再現されることを示した.
現在,研究成果を論文としてまとめている最中であり,近々にも投稿する予定である.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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