研究概要 |
距離画像とカラー画像のレジストレーション手法の構築を目的とし,以下を行った. 1.レジストレーション手法の基礎の確立 距離濃淡画像をキーとして,距離画像とカラー画像とのレジストレーションを自動的にかつ高精度で行う手法を確立した.距離濃淡画像・カラー画像間の勾配拘束を利用して,カメラの6つの内部パラメータ(微小並進,微小回転)の間の線形拘束式,ならびに,カメラの5つの内部パラメータおよびレンズ歪みも考慮した線形拘束式を導出した.これらの拘束式を利用したレジストレーション手法を確立した.この際,両画像を空間微分し,画像の低解像度化ならびにガウシアンフィルタのシグマの制御によるCoarse-to-Fineアプローチを適用することにより,安定したレジストレーションの収束を実現した. 2.手法の検証 高精細のカラー画像の入力には,高画素数かつRAW画像入力可能なデジタルカメラを利用し,距離画像に関しては,カナダのNational Research Council所有の距離画像センサを利用して取得し,レジストレーション実験を行った.提案手法はOpen GLを用いて実装し,3分程度の時間でかなり広い範囲で収束する安定した結果を得ることができた. 3.小型距離画像センサの製作 提案手法の評価などの実験に用いる小型距離画像センサを製作した.約400点のレーザスポットを投影前能なレーザーパターンプロジェクタとIEEE1394をインタフェースとするCCDカメラ,PCの組合せにより,画素数は少ないものの高速な距離画像入力を実現している. 4.3次元モデルのカラー画像の補正手法の提案 本手法により,色情報を持つ3次元モデルの構築を行えることが示された.この結果を発展させ,距離濃淡画像の輝度値をリファレンスとして,カラー画像の補正を行う手法の提案を行った.
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