研究課題
最適化問題においてローカルミニマムに捕われ、よい結果を得ることができないととがしばしば起こる。このような問題に対して、外部からランダムな入力を与えたり、シミュレーテッド・アニーリング(SA)のように熱ノイズを加えたりして、ローカルミニマムから脱出させる方法が取られている。しかしながら、これらの手法ではランダムな外乱を与えているので、必ずしも次の状態が改善されているわけではない。また、最適解に至るまでに非常に長い時間を要すると言う問題もある。本研究では、このような問題に対して相関ノイズを導入し、ローカルミニマムからの脱出性能を評価する。相関ノイズを用いると、サンプル依存性が発生し、解の周辺を有限の確率で探索することが可能になる。まず、評価するために、理論的な解析が容易な連想記憶モデルを取り上げ、アトラクタの状態遷移を解析した。大きく分類すると、次の2つのモデルについて検討した。1.シナプス結合を自己想起型と系列想起型の結合型にしたモデル。相関ノイズが無い場合は自己想起型として働き、点アトラクタに収束させる。相関ノイズにより、点アトラクタから脱出し、次のアトラクタへ遷移が可能であることを示した。また、その状態分布を理論的に求めた。相関ノイズではなく熱ノイズの場合には状態遷移は起こらないことから、相関ノイズによる状態遷移であることが言える。2.記憶パターンに相関構造を入れたモデル。あるアトラクタに収束した後、相関ノイズにより、混合状態のアトラクタへ遷移が可能であることを示した。熱ノイズでは、混合状態のアトラクタが不安定化してしまうので、このような状態遷移をさせることはできない。以上のように、連想記憶モデルに相関ノイズを導入し、状態遷移について理論的に解析を行った。これにより、相関ノイズの特徴の一部を明らかにすることができた。
すべて 2004
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