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2005 年度 実績報告書

カオス的スパイク時系列の力学構造識別に基づく脳型多重情報伝送システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16700222
研究機関福岡工業大学

研究代表者

山口 明宏  福岡工業大学, 情報工学部, 講師 (60281789)

キーワードカオス / 時間方向コーディング / スパイク間隔ダイナミクス / 多重化通信 / 同時性検出ニューロン / FPGA / スパイクソーティング
研究概要

本研究では,脳のようなスパースな神経スパイク系列を伝達媒体とするシステムにおける柔軟な情報伝達モデルの実現を目的として,カオスダイナミクスをスパイク時系列中のスパイク間隔のダイナミクスとして表現したChaotic-ISI(Chaotic Inter-Spike Interval)を用いた情報伝達システムの構築とその性能解析を行った.
情報伝達システムの構築においては,1)Chaotic-ISIを個々の通信チャンネルの情報のキャリアとして送信し,重畳して受信されたChaotic-ISIの重畳系列から個々のChaotic-ISIを力学構造の差異を用いて再分離して個々の情報を復号する多重通信モデル,2)カオス軌道の予測を用いて重畳系列から個々のChaotic-ISIを分離する分離抽出アルゴリズム,3)通信チャンネル毎に異なる力学構造を持つChaotic-ISIを生成するためのカオス写像族を開発した.
開発した多重通信モデルについて,性能解析を行った結果,カオス性の強さ,分離抽出アルゴリズムの予測精度,および,通信性能の間にはトレードオフの関係があり,使用するChaotic-ISIのカオス性の強さに応じて予測精度を適応させることで通信性能を最適化できることを示した.
多重通信モデルのハードウェア実装においては,分離抽出アルゴリズムを同時性検出ニューロンのネットワークとして設計し,FPGA上への実装を行った.実装においてはXilinx社のSpartanIIIを用い,Chaotic-ISIおよびカオス写像は,離散近似を行い有限精度のダイナミクスとして構成した.結果として,Chaotic-ISIを用いた2対2の通信実験,8対1の通信実験に成功した.
これらの研究を通して,スパイク系列の力学構造の識別を用いた情報伝送は,高いノイズ比率の環境化においても情報の多重伝送が可能であり,スパースなスパイク系列を伝達媒体とするシステムにおいて有用であることを示した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] カオス的スパイク間隔系列を用いた多重通信モデルのハードウェア実装2005

    • 著者名/発表者名
      長谷川徹, 高尾知宏, 吉本強樹, 山口明宏
    • 雑誌名

      第58回電気関係学会九州支部連合大会 講演論文集 (CD-ROM)

      ページ: 09-1A-05

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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