研究概要 |
今年度は,統計グラフに焦点をあてて,システムの検討と設計を行い,そして,実装を開始した. このシステムを利用するとマウスを利用して統計グラフ表示プログラムを構築できる.マウスで操作する対象は,統計グラフを組み立てるための部品である.この部品をマウスで指定して,部品間の情報のやり取りに関する定義をメニューから選択する. 今年度は,主に,この部品に関する設計と実装を行った.部品は,データを扱うもの,統計グラフを描くための情報を保持するもの,実際に統計グラフを描くもの,というように大きく3種類に分類できる.これによって,一般的なアプリケーションプログラム,Webブラウザ上で動作するWebアプリケーション,既存のシステムに組み込むことなどを容易に行うことが可能となる. このシステムによって組み立てられたプログラムは,静的なものではなく,マウスによって操作を行うことができる.つまり,マウスイベントに対応する処理を定義することもできる.これは,統計グラフには,動的な操作が必要とされるからである.このシステムは,Java言語においてコンポーネントウェアーをサポートするための技術であるJavaBeansを利用している.つまり,統計グラフを組み立てるための部品がJavaBeansである.このJavaBeansの設計と実装には,デザインパターンを考慮しなければならない.そして,このデザインパターンを考慮するために,UML(Unified Modeling Language)が必要となる. このシステムの最終的な目標は,現在,われわれが開発している統計解析システムJasp(Java based statistical processor)に組み込むことによって,統計グラフだけでなく統計計算のためのプログラミングにも応用することである.
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