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2004 年度 実績報告書

DLマウス小脳におけるプルキンエ細胞死と登上線維の標的依存的脱落

研究課題

研究課題/領域番号 16700305
研究機関徳島大学

研究代表者

澤田 和彦  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (10284324)

キーワードdilute-lethalマウス / ミオシンVa / 運動失調 / プルキンエ細胞 / 小脳 / 胎仔 / ミュータントマウス / TUNEL法
研究概要

dilute-lethalマウス(DL)は、ミオシンVaをコードする遺伝子(Myo5a遺伝子)に変異をもつ運動失調ミュータントで、ヒトのGriscelli症候群のモデルとして知られている。最近、我々はDLにおいて小脳重量とプルキンエ細胞総数が対照マウスに比べて有意に低いことを報告した[澤田ら、第106回日本解剖学会全国大会(2001)]。DLにおけるプルキンエ細胞数減少の原因を明らかにするため、本年度はDL胎仔小脳原基における神経細胞死をTUNEL法により検討した。
Myo5a遺伝子は毛色が灰色(diluted coat color)の遺伝子と連鎖しているため、毛色によりホモ個体(毛色:灰色)と野生型、或いはヘテロ個体(毛色:黒)を区別することができる。これを利用し、本研究では胎仔の皮膚片をヌードマウスへ移植し、移植片の毛色から胎仔の遺伝子型を同定した。対照マウス胎仔の小脳原基では、TUNEL陽性プルキンエ細胞は胎齢12日で最も多く、その後、数は減少し、胎齢16日以降では、ほとんど観察されなくなった。DL小脳原基においても胎齢12日でTUNEL陽性プルキンエ細胞が最も多いが、その数は対照マウスの約5倍であった。その後、TUNEL陽性プルキンエ細胞数は急激に減少し、胎齢14日には対照マウスとの間に差がみられなくなった。
以上の結果から、DL小脳では胎齢12日にプルキンエ細胞前駆細胞がアポトーシスを起こすことが明らかになった。ミオシンVaは、プログラム細胞死誘導因子であるBcl-2 familyの活性を抑制することから、ミオシンVaの機能異常によるプログラム細胞死制御異常がプルキンエ細胞前駆細胞のアポトーシスを引き起こし、一部のプルキンエ細胞を消失させると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Abnormal expression of tyrosine hydroxylase not accompanied by phosphorylation at serine 40 in cerebellar Purkinje cells of ataxic mutant mice, rolling mouse Nagoya and dilute-lethal2004

    • 著者名/発表者名
      Sawada, K.
    • 雑誌名

      Congenital Anomalies 44

      ページ: 46-50

  • [雑誌論文] Purkinje cell loss in the cerebellum of ataxic mutant mouse, dilute-lethal : a fractionator study2004

    • 著者名/発表者名
      Sawada, K.
    • 雑誌名

      Congenital Anomalies 44

      ページ: 189-195

  • [雑誌論文] ローリングマウス小脳におけるカルレチニン陽性unipolar brush cellとCRF陽性苔状線維終末2004

    • 著者名/発表者名
      安藤正裕
    • 雑誌名

      頭頸部自律神経 18

      ページ: 53-55

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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