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2005 年度 実績報告書

単離脳標本を用いた扁桃体-海馬システム間の相互作用に関する生理学及び解剖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16700315
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

梶原 利一  独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (60356772)

キーワードイメージング / 膜電位感受性色素 / 単離脳標本 / 海馬 / 扁桃体 / 扁桃体周囲皮質 / 嗅内皮質 / 情報統合
研究概要

嗅覚情報伝達経路に関する知見を総合すると、嗅球-梨状皮質から、嗅内皮質を介して海馬へ入力する経路では「認識」に関する情報が、扁桃体周囲皮質を介して扁桃核に入力する経路では「情動」に関する情報が、それぞれ並列に処理されると考えられている。一方、これら二経路を結びつける回路については不明な点が多い。
平成16年度の研究では、辺縁系神経回路の構造を保持したin vitro単離脳標本に膜電位イメージング手法を適用する事で、前述の二つの経路が外側嗅索の電気刺激により実際に活性化される事を確認した。又、実験の過程で、嗅内皮質で惹起された神経活動が海馬のみならず扁桃体周囲皮質へも伝達している可能性が示唆された。平成17年度は以下の実験により、扁桃体周囲皮質が嗅内皮質と機能的にリンクしている可能性を検証し、成果の一部を北米神経科学学会にて発表した。(1)局所的破壊が神経活動伝播パターンに及ぼす影響:梨状皮質外側部を破壊した場合、嗅内皮質への神経活動伝播が阻害されると共に、嗅内皮質から扁桃体周囲皮質への神経活動伝播も消失した。この時、梨状皮質-扁桃体周囲皮質間の神経活動伝播パターンに影響は無かった。又、梨状皮質内側部の破壊は、これと相反する結果を示した。(2)単一細胞記録解析:扁桃体周囲皮質の単一細胞内記録を行い、外側嗅索の電気刺激により惹起されるシナプス電位を解析した結果、多くの細胞のシナプス後電位は二峰性を示し、ピーク間隔は刺激強度に依存して変化する事が判った。細胞外記録電位及びイメージングの結果とも良く対応する事から、潜時の早いピークは嗅内皮質から、後発のピークは扁桃体周囲皮質からの神経支配に起因するものである事が推測された。
これらの結果は、扁桃体周囲皮質が、梨状皮質からの嗅覚情報入力を受けると共に、嗅内皮質を介した高次の嗅覚情報も受け取り、統合している可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Piriform and entorhinal neural activity following the lateral olfactory tract stimulation converges at the periamygdaloid cortex : A voltage-sensitive dye imaging study in the isolated guinea pig brain2005

    • 著者名/発表者名
      Kajiwara R., Tominaga T., Takashima I.
    • 雑誌名

      Abstract Viewer/Itinerary Planner. Washington, DC : Society for Neuroscience, 2005. Online

      ページ: 968.11

  • [雑誌論文] LOT-evoked neural activity inputs to the periamygdaloid cortex via the later al entorhinal cortex in the guinea pig isolated brain2005

    • 著者名/発表者名
      Kajiwara R., Tominaga T., Takashima I.
    • 雑誌名

      Neuroscience Res. 52・Suppl

      ページ: S209

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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