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2005 年度 実績報告書

培養系を用いたミトコンドリア機能障害と酸化的ストレスによる神経細胞変性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16700316
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

千葉 陽一  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 主任研究員 (30372113)

キーワード老化促進モデルマウス / 加齢 / 初代培養神経細胞 / 神経変性疾患 / 酸化的ストレス / ミトコンドリア / 興奮毒性
研究概要

老化促進モデルマウスの一系統であるSAMP10マウスは、加齢に伴う脳機能障害を呈し、病理学的には前頭部大脳皮質の萎縮を特徴とする。本系統マウスでみられる神経変性過程への酸化的ストレスとミトコンドリア異常の関与につき、in vitroの系で解析することを目的として本研究を開始した。
昨年度に無血清培地を用いた培養系を確立し、純度の高い神経細胞集団が得られるようになったが、さらに長期間にわたりastrocyteの増殖と突起伸展を抑制する目的で、Lucius Rら(1995)によるsandwich培養の手法を一部改変し導入した。(1)この手法を用いると、28日目まで培養の純度を90%以上に保つことができた。(2)この方法を用いてin vitroでの生存率をSAMP10由来の細胞とコントロール系のSAMR1由来の細胞との間で比較したが、28日目まで有意な差はみられなかった。(3)28日目までの細胞あたりの酸化的ストレスレベルを蛍光プローブを用いて測定すると、21日目まではSAMP10由来の細胞でSAMR1由来の細胞に比べてややROS量が多い傾向がみられた。(4)ミトコンドリア膜電位の変化については、細胞株ごとの変動が大きく、一定の傾向は得られなかった。(5)グルタミン酸刺激に対する反応は、10μM以上の負荷で細胞死が観察されたが、その感受性に有意な系統差はみられなかった。
加齢による神経細胞障害のモデルとしては、単回で細胞死に至る強い刺激を負荷するより、単回の負荷では死に至らない弱い刺激を繰り返し与える系の方がよりin vivoの条件に近いと考えられる。今後この培養系を用いて、興奮毒性やプロテアソーム阻害、酸化的ストレス等様々なストレス負荷をsublethalなレベルで慢性的に与えた際の細胞の反応の違いについてさらに検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Apical vulnerability to dendritic retraction in prefrontal neurones of ageing SAMP10 mouse : a model of cerebral degeneration.2006

    • 著者名/発表者名
      Shimada A., et al.
    • 雑誌名

      Neuropathol Appl Neurobiol 32(1)

      ページ: 1-14

  • [雑誌論文] Cultured murine dermal fibroblast-like cells from senescence-accelerated mice as in vitro models for higher oxidative stress due to mitochondrial alterations.2005

    • 著者名/発表者名
      Chiba Y, et al.
    • 雑誌名

      Jonrnal of Gerontology : Biological Sciences 60A(9)

      ページ: 1087-1098

  • [雑誌論文] Different adaptive traits to cold exposure in young senescence-accelerated mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Y., et al.
    • 雑誌名

      Biogerontology 6(2)

      ページ: 133-139

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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