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2006 年度 実績報告書

悪性腫瘍の非侵襲的温熱治療のための回転磁場印加法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16700381
研究機関秋田大学

研究代表者

水戸部 一孝  秋田大学, 工学資源学部, 講師 (60282159)

キーワードハイパーサーミア / 感温性磁性体 / 誘導加熱 / 非侵襲的治療 / 回転磁場 / 癌
研究概要

本研究では非侵襲的な局所的温熱療法のための誘導加熱技術の確立を目的とし,高周波磁場(188kHz,56.5mT)での誘導加熱によるファントムおよび生体内における感温性磁性体微粒子の温度上昇特性を調べた。また,回転磁場印加法による発熱効率向上を目指し,回転磁場印加装置を用いた基礎実験を実施した。得られた成果を以下に示す。
(1)生理食塩水を寒天で固めたファントムに埋め込んだ磁性体の温度計測結果より,磁性体から1.5cm離れた部位の温度は42℃以下であることを実証し,周囲の正常組織への悪影響が少ない局所的加熱が可能であることを明らかにした。
(2)NaCl濃度を生体の導電率程度に調整したファントム(0.92S/m)では,感温性磁性体の発熱を一定温度で維持できることがわかった。一方,NaCl濃度が高い条件(NaCl濃度0.8%以上)では加熱時間に比例し温度は上昇した。
(3)マウスを使った動物実験により生体内でも感温性磁性体を一定温度で維持できることを実証し,ファントムでの基礎実験とほぼ一致した昇温特性が得られることを確認した。
(4)皮下に悪性腫瘍を移植したマウスを対象に,Control群,週に1回30分本手法により誘導加熱するHyperthermia(1)群,週に2回誘導加熱するHyperthermia(2)群で動物実験を実施した結果,Control群および(1)群では40日で死滅したが,(2)群では120日経過後も生存率は60%以上を維持し,本手法の有効性が明らかになった。
(5)コイル中心部で7mTの磁束密度を発生できる回転磁場印加装置を作製し,金属球の回転により最大1.4倍の発熱量が得られることを確認した。
(6)磁束密度,交流磁揚の周波数および金属球の直径をパラメータとし,回転磁場により発生する回転トルクを導出する実験式を構築した。
臨床応用可能な大型誘導加熱装置の実現が今後の残された課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 感温性磁性体粉の発熱特性と誘導磁場印加法に関する検討-ハイパーサーミアのための誘導加熱技術-2007

    • 著者名/発表者名
      菅原悠, 水戸部一孝, 吉村昇, 斉藤元, 小川純一
    • 雑誌名

      信学技法 106・591

      ページ: 5-8

  • [雑誌論文] 遠赤外線ヒータを用いた体表面の加熱プロセスによる乳癌検査に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      尹鍾賢, 水戸部一孝, 片寄喜久, 小川純一, 吉村昇
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C 126・3

      ページ: 306-312

  • [雑誌論文] サイバースペースにおける高齢歩行者の危険回避能力検査の試み2006

    • 著者名/発表者名
      水戸部一孝, ジョセフF.コッフリン, 吉村昇
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌D J89-D

      ページ: 2174-2182

  • [雑誌論文] アクティブ・サーモグラフィ法による乳ガン検査の可能性の検討2006

    • 著者名/発表者名
      尹鍾賢, 水戸部一孝, 片寄喜久, 小川純一, 吉村昇
    • 雑誌名

      照明学会誌 90・8A

      ページ: 487-494

  • [雑誌論文] 磁気式モーションキャプチャにおけるしシーバ位置・角度のキャリブレーションの試み2006

    • 著者名/発表者名
      カビール ムハムドゥル, 水戸部一孝, 佐藤潤, 玉本英夫, 吉村 昇
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C 127・1

      ページ: 88-89

  • [産業財産権] 胃ペースメーカーナビゲーションシステム2006

    • 発明者名
      伊藤 正直, 水戸部 一孝, 吉村 昇
    • 権利者名
      秋田大学
    • 産業財産権番号
      2006-070108
    • 出願年月日
      2006-03-15

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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