本年度は以下の研究を実施した。 1.光線照射療法の効果をみる準備段階として、神経疾患、特に脊髄損傷やパーキンソン病モデル小動物(ラット)に生じる過活動膀胱(神経因性)の群と、その比較対照として、膀胱内に1%酢酸を注入することで膀胱粘膜に炎症を起こし、過活動膀胱(炎症性)を生じさせた群と、正常モデル動物の正常な膀胱機能の群の3群において、(1)非麻酔下非拘束下の排尿機能(1回排尿量や膀胱の収縮反応)の違いを観察した。(2)膀胱感覚刺激により発現した膀胱支配神経系の神経細胞上の最初期遺伝子(c-fos)やその関連蛋白の発現頻度の違いを中枢神経の各部位で観察した。(3)膀胱支配神経系の各部での神経伝達物質やその受容体などの各種物質の発現・働きの違いの観察をマイクロアレイによりmRNAレベルで行った。(4)膀胱粘膜上の各種の受容器又は受容体の変化を同定する評価法の検討を行った。(5)下行抑制系の活動性や膀胱支配末梢求心路のC線維やAδ繊維の活動性の変化の神経生理学的又は形態学的な評価法の検討を行った。 2.光線照射療法に使用する機器の選択を行い、使用条件やプローブの検討・改良を行った。 3.神経疾患、特に脊髄損傷やパーキンソン病モデル小動物(ラット)に生じる過活動膀胱(神経因性)の群と、その比較対照として、膀胱内に1%酢酸を注入することで膀胱粘膜に炎症を起こし、過活動膀胱(炎症性)を生じさせた群と、正常モデル動物の正常な膀胱機能の群の3群において、半導体レーザー機器及び直線偏光近赤外線機器の光線を膀胱支配神経系の神経根(L6前後)に照射し、過活動膀胱への効果及び排尿機能への影響を観察し、検討することを始めた。
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