光学式トラッキング装置で、体幹部の動きをモニターするために、体幹部用のターゲットを設計し、ファントム実験を行って、その検出精度を評価した。また、そのターゲットを用いて、大阪大学において、心臓のPET検査中の被験者の動きをモニターした。正常被験者に対して、O-15水を用いた心筋血流検査を2回行った。1回目と2回目の間に、被験者を固定するベットを30mm移動した。この2回の撮像で得られた画像を用いて、心筋血流量を定量した。動き補正を行わないと、一回目の撮像に比べ、2回目の心筋血流量は、88%の過大評価をしたが、動き補正をすることにより、2回目の心筋血流量は1回目とほぼ同様な値となった。この結果により、動き補正が頭部以外の部位においても、動作することが実証された。体幹部の動き補正の精度をさらに上げるために、PETの吸収補正に関しても動き補正を行うソフトウェアの開発を行った。これにより、トランスミッション撮像(吸収補正用撮像)中とエミッション撮像中の間に、大きく被験者が動いた場合でも、動き補正が行えることが予想される。それを実証するために、複数の正常被験者を用いて、PET撮像を行った。また、PETの画像再構成、及び動き補正のためのプログラムの整備を行った。大量のデータを、高速に処理するために、7台のPCを用いたクラスタコンピュータを用いて、並列処理が可能なソフトウェアの開発も行った。これにより、最大で7倍の処理速度向上が期待される
|