研究課題
本年度は、本研究の目的であるマルチモダリティの重ね合わせのうち、PETとMRIの画像重ね合わせに関して、基礎的検討および動物実験を行った。MRIとPETとの重ね合わせを行うために、光学式トラッキング装置が高磁場な環境であるMRI室で利用できるか検証した。光学式トラッキング装置をMRI室の複数の場所に置き、正常にデータが収集できるかを確認した。その結果、MRIボアから2mほど離れていれば、データは正常に収集できることを確認した。そこで、MRIのガントリにリファレンスマーカーを設置し、その校正をMRIガントリ内でも使用できる専用の校正ジグを用いて行った。リファレンスマーカーはPET側にも装着し、これらリファレンスマーカーと光学式トラッキング装置を用いて、MRIとPETの重ね合わせが行えることを確認するためのファントム実験を行った。ファントムには、複数の点線源を配置できるようになっており、MRI撮像時には、ガドリニウム造影剤を、PET撮像時には、F-18溶液を、点線源に注入し、その位置を両モダリティで測定した。その結果、2つのモダリティ間の誤差は数mmであり、良好な結果を得た。ブタを用いた動物実験を行った。ブタ食道に、癌を模擬した線源を配置し、MRIを撮像する際は、日本茶を、PETを撮像する際は、FDGをその線源に注入し、両モダリティでブタの撮像を行った。その結果、2つのモダリティで得られた画像はよい一致を示した。さらに、MRIのような高磁場な環境においても、位置のトラッキングが行えるように、さらに、安価なトラッキング装置を目指して、USBカメラを2つ用いたトラッキング装置の開発を始めた。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
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