研究課題
交付申請書記載の通り、最終年度は20世紀イギリス・スポーツ史研究の動向整理を行った。具体的には、編集も手がけた『今、奏でよう身体のシンフォニー』所収論文における「体育・スポーツ史の地平を考える-今、何が問われているのか」を執筆し、本研究の成果の一端を示した(平成18年度内校了、2007年5月出版予定)。特に「英国におけるスポーツ史研究の動向と日本」として、イギリス史家、マイク・ハギンズによるここ20年間のスポーツ研究史の概観を全訳した。また、国際学会では"The Body and Japanese Fascism as an Asian thought of Kurakichi Hirata"として、日本における軍隊体育の問題を世界史に位置づける研究発表を行い(8月、リュブリャーナ、スロベニア)、これをイギリスにおける政治文化と日本との比較史研究としてまとめ、21世紀的視点を踏まえて急進主義的思考から「マルチチュード概念」までを投じ、考察を加えた(2006年10月刊行の論文集、山本徳郎・杉山重利監修、阿部生雄・山田理恵・榊原浩晃編著『多様な身体への目覚め-身体訓練の歴史に学ぶ-』所収論文「「生きるからだ」再考-「同意の文化」を超えて、今への提言」)。また、スロベニア大会での研究発表については、H.アイヒベルクに、International journal of Eastern Sports & Physical Educationへの投稿を促され、考察を深め、"The Body and Grass-roots Fascism during World War II:‘the topos' of the Emperor in a personal-body-mechanism in Japan."として公表し、同上の国際ジャーナルに掲載された。その他の学会発表の機会においても、ニュー・レフト以来の20世紀英国スポーツ史研究の動向整理を行っている。詳細は、11.の通りである。
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International Journal of Eastern Sports & Physical Education 4-1
ページ: 91-103
ISHPES Seminar 第8回大会(Ljubljana, スロベニア) 8月(口頭発表)
日本平和学会2006年度秋季研究大会分科会発表 セクション 非暴力、山口大学人文学部・経済学部 11月(口頭発表)