東北アジア地域のなかでも、特に中国における少数民族と台湾原住民(先住民)を対象として、伝統スポーツとアイデンティティの開係に関する研究をおこなった。 中国では「少数民族伝統体育運動会」を事例として取り上げ、1999年に実施したフィールドワークに基づくデータ加え、新たに収集された情報・資料と知見から分析をおこなった。そして、学術論文「中国・少数民族伝統体育運動会にみるアイデンティティの諸相」としてまとめ、「体育学研究」へ投稿し、受理された。 台湾原住民に関しては、プユマ(卑南族)で実修されている「土俵」をもつ相撲を事例として、フィールドワークによる聞き取り情報と日本統治時代の文献資料からその変容を明らかにするとともに、アイデンティティとの関わりの考察をおこなった。そして、日本体育学会国際誌「International Journal of Sport and Health Science」に投稿し、受理された。さらに、早稲田大学博士学位論文「臺灣原住民の相撲変容にみるアイデンティティ:知本プユマの言説からのアプローチ」として提出し、2006年1月に受理された。
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