本研究課題は2年間で最終的な研究成果を出す計画である。1年目にあたる平成16年度は下記の成果を得た。 1.国内外の文献から、‘生活資源'に関する先行研究の確認作業を行った。それらを整理・分類した結果、(1)国内外を問わず、従来議論されてきた生活資源の議論は家庭内あるいは家庭外のみでの資源配分という視点で議論されることが多く、家庭内と家庭外との資源交換という視点からの議論は希少であること、また、(2)金銭・時間的資源の管理・経営について重点が置かれているものが多く、トータルにみた‘生活諸資源'管理の実情は把握されていないこと、などの知見を得た。それらを踏まえて、今後ますます必要となると考えられる家庭内外の資源交換という視座を強くもつこと、さらに、経済的資源・空間的資源・時間的資源・人的資源・対人的資源の5つの資源管理をトータルに把握していくこと、の2点に着目して、本研究における調査の枠組みを構築した。 2.本研究では、質問紙調査により、生活資源管理の現状を検討していく計画であるため、上述の枠組みに沿い調査票を作成した。調査項目は(1)家庭生活において重視する資源の種類、(2)現在の生活における生活資源の配分状況、(3)現在の生活における生活資源の充足度、(4)今後の生活資源の準備状況、(5)家庭外資源と交換可能な資源、についてである。調査票の作成にあたり、各項目を生活資源ごとに検討し、かつ、トータルに把握できるような内容となるよう留意した。 次年度はこの調査票を用いて調査を実施し、その結果をまとめていく予定である。
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