研究概要 |
本年度は,食教育の観点からみた食物選択と食物嗜好との関連に関する発達心理学的研究における第1年目として,以下のような2つの基礎的研究を実施した. 第1は,食物選択と食物嗜好との関連を検討するために,幼児と大学生を対象に実物大料理カードを材料として実施した調査の分析を実施した.その結果,幼児は食物選択と食物好悪には感覚要因が関与することが多いのに対して,大学生は食物選択には認知要因,食物好悪にはイメージ要因が関与することが多くなり,発達とともに食物選択と食物好悪に関与する要因が異なってくることが示唆された.現在は,対象者によって選択された食物の栄養価について詳細な分析をおこなっている段階である. 第2は,食物選択と食物嗜好に関する先行研究と家族と食行動に関する先行研究についての検討である.食物選択,食物嗜好に関しては,近年研究の進展がめざましく,より長期的な発達の中でどのように変化していくのか考察をおこなっている.また,子どもの食教育をおこなう上で,家族の中で食がどのようにとらえられているか検討することは必要不可欠なことである.そこで,主にマーケッティング関係の調査から得られた結果や個人の面接調査などをふまえた栄養学的な研究を収集し,家族における食の現状を検討中である. なお,本年度11月より1年間研究代表者が産休・育休のため,一時研究を中断する.従って,本報告は2004年10月まで実施した内容である.
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