研究概要 |
本研究の目的は,主として中等教育段階の生物教育において,生物学史および生物哲学を活用する意義を明らかにし,さらに活用の効果を実証的に示すことにある。 具体的には,次の内容が中心となる。 (1)生物教育において生物学史・生物哲学を活用する意義を,調査研究・文献研究などによって明らかにする。 (2)生物学史・生物哲学の活用方法・形態を多面的に探り,それらを具体化した学習プログラムを作成する。 (3)生物学史・生物哲学の活用効果を,実証的データに基づいて明らかにする。 平成17年度は,初年度に引き続き,生物学史・生物哲学を生物教育に導入するための,理論的な基礎付けを行った。さらに,導入のための具体的な方策を検討・決定し,学習プログラムの作成に着手した。 具体的な研究作業として,例えば,授業の視察・記録・分析,教科書・先行研究・諸文献の分析,アンケート調査,教授プログラムのための素材の収集,予備プログラムの作成,などに取り組んできた。 成果として,例えばアンケート調査からは,大学生の科学史観の一端が明らかとなった。あるいは,生物学史・生物哲学の分野の知見に基づいて,進化論(自然選択説)モデルを手掛かりに,大学生の理解状況の分析を行った。これらの結果は,プログラム開発のための基礎的データとして役立つものである。 なお,上記の成果の一部を,日本理科教育学会関東支部大会,および,日本生物教育学会全国大会において報告した。平成18年度が研究の完成年度にあたるため,引き続き研究作業を進め,教授プログラムの完成に努めているところである。
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