レポートや論作文の指導法についての先行研究や、関連する文献を調査し、既に提案されている指導法について整理した。その中から、文章の骨格の書き方や、段落の構成、段落間のつなげ方など、文章を論理的に構成する方法と、論作文を念頭に置いたWWW文書の検索方法について、有効な方法を見出した。また、著作権法について調査し、正しい引用や参考の方法について整理した。 これらに基づき、1)論理的な論作文、2)WWW文書の検索と蓄積、3)WWW文書のコラージュ的な編集、4)引用・参考、の4点について、一連の指導方法を考案した。特に、1)については、学生を被験者として実験を行い、指導方法の有効性と改善すべき点について確認した。 ところで、こうした指導については、学習者のレディネスによっては、段階的に指導を行うことが望ましい。 例えば、指導の最初の段階では、手本を提示し、それをアレンジさせながら文章を書かかせる、次の段階では、論作文のテーマを提示し、骨格については考えさせるが、その中で論拠として引用したり参考にするWWW文書については、検索させずにこちらから提供するなどの措置が必要である。 そのために、論作文の事例集や、論作文に用いるためのWWW文書の事例集を作成した。 また、検索したWWW文書の蓄積や整理、分類、コラージュ的な編集、論作文での引用を行うためには、手動では作業が繁雑であり、コンピュータによる支援が望ましい。そのため、支援システムを開発するための準備として、システム開発に必要な要素技術の調査と試験を行った。
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