研究概要 |
本研究の目的はCaroll (1995)による「(人々の)経験をデザインする手法:Scenario-Based Design」を援用し、教育「実践をデザインする」プロセスを記述する方法論を開発することにある。その最大の特徴は、実践者と研究者、それぞれの視点から同時的に「実践」を分析・評価し、更なる次の実践のデザインにつなげることにある。従来の研究手法のように分析に多大な時間がかかり、実践が終わってしまった1年後にしか結果がわかならいというようなことは避け、データ収集後にすぐに提示できるシステムをつくることを目標としている。 本年度の成果としては、保育フィールド観察記録を簡易にする、画像メモ装置を試作し、実際にフィールドでの使用を試みた。また、記録(実践)の流れを順次その場で一覧表示(ビューイング)できるよう設計した。一覧表示が瞬時にできることで、シナリオとして実践でおきた経験の流れをリフレクションしやすくなる。開発中のツールは参加・共有型デザインツールとして、さまざまな実践フィールドで使用することができる。本ツールは(1)保育観察(撮る)→(2)保育カンファレンスでの共有と省察(並べて見る)→(3)新たなシナリオの提案の循環が支援されるよう意図し、設計されておりており、本年度の成果は日本保育学会で報告される予定である(刑部・戸田・篠永,印刷中)。 刑部育子・戸田真志・篠永成人(印刷中)シナリオ・ベースド・デザインを目指した保育実践観察ツールの開発.日本保育学会第59回発表大会論文集.
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