研究概要 |
本研究の目的は,学校内に既にあるコンピュータネットワークを活用した環境のモデルを提案し,そのモデルに基づいた環境を実際に構築・評価することである.この目的を達成するために,実際の学校現場で必要とされている管理支援ツールや,様々な授業で使える実際的なアプリケーションを提供し,よりコンピュータネットワークを活用するための,例えば他校や小中学校間のコンピュータネットワークを活用した交流の事例などを通じて,実践的な知見を得て,それらを広く公開することで,現実的な改良・改善の促進を図る. 我々は,これまでに学校内でのネットワーク利用に関するネットワークポリシを提案し,そのポリシに基づいた校内ネットワークの管理を支援するシステムを構築しており,また小学校低学年でも利用できるパスワード入力インタフェースの提案を行っている.また,総合的な学習の時間での利用を前提とした遠隔動画通信を利用した発表学習支援システムの構築も行っている. これらの結果を踏まえ,本研究ではこれまで構築・評価してきたシステムの改良・改善を行い,統合化を行う.さらに,学校現場の教員との連携を通じて,学校現場に密着した現実的かつ実践的なシステムの構築を進め,システムに反映させ,長期間の試用評価を行う. この目的を実現するために,平成16年度は,システムの設計と開発を行った.同時にこれらの成果を国内外で積極的に発表を行った,具体的な各年度の研究計画は以下の通りである. (1)校内ネットワーク管理システムの機能検討 校内ネットワーク管理システムを容易に利用できるために必要な要件を検討した。 (2)Webメーラの構築 既に試作したWebメーラは,普段児童が使っているアプリケーションとオペレーションが異なっていた.そこで,普段児童が利用しているアプリケーションのオペレーションを実現するべく,仕様の変更を行っている. (3)遠隔動画通信を利用した発表学習支援システムの再構築 発表学習では,過去に作成された発表資料を利活用することが重要になってくる.そこで,再利用性の促進をはかるべく,発表資料をXMLで表現するべく改良を行っている.また,コンテンツの検索支援手法についても同時に見当を行っている.
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