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2006 年度 実績報告書

産業科学の公開講義から見る18・19世紀の仏英における工業化過程の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16700581
研究機関文部科学省科学技術政策研究所

研究代表者

中村 征樹  文部科学省科学技術政策研究所, 第2調査研究グループ, 研究官 (90361667)

キーワードフランス:イギリス / フランス工芸院 / 工業化 / 成人教育 / 技術教育史 / 公開講座 / フランス史 / 産業革命
研究概要

18・19世紀の仏英における工業化過程の比較研究を行うにあたって、これまで検討してきたフランス工芸院および英国メカニックス・インスティテューションで開催された産業科学の公開講座に限らず、同時期に工業化を進めるために行われたさまざまな取り組みに注目して、包括的な検討を行った。
具体的には、とりわけ以下の点に着目して分析を行った。
1.英国の王立技術協会(1754年設立)をモデルに、フランス産業の振興を願う産業資本家や科学研究者、職人、銀行家、地主、高級官僚らによって、1801年に任意団体として設立された国民産業振興協会の活動について、同協会が刊行した雑誌や各種印刷資料の検討を中心に調査を行い、革命後のフランス社会の工業化におけるイニシアティブのありかたについて検討した。
2.復古王政以後のフランスでは、英国のさまざまな関係者と交流関係を築きながら、初等教育や成人教育、知識普及をはかるためのさまざまな活動が活性化した。1816年に設立された初等教育協会は、英国で生み出された効果的な教育手法としての相互教育法の普及を図り、1825年に創刊された『有用・実践的言誌』では、工業化にかかわる有用な知識の普及が掲げられた。また、1828年に創刊された『パリ市公開講座雑誌』や『男女のための教育・訓育雑誌』の分析からは、工芸院の公開講座にとどまらないさまざまな公開講座や初等教育・技術教育・商業教育などのとりくみが誕生したことが明らかになった。それらのとりくみについて、国家によるイニシアティブによるのみならず、英国社会とのさまざまな草の根レベルでの交流関係に支えられながら工業化が進展していったことに着目しながら、調査検討を行った。
3.上記の多様な工業振興策を支えた人々が築いていた人的ネットワークについても検討を行い、工業化をめぐる多様なとりくみの連関と背景ついて検討した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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