研究課題
横浜市日吉における、2004年8月19日〜11月21日の期間のPM2.5質量濃度及びPM2.5中PAHs(多環芳香族炭化水素類)、微量金属、水溶性イオン成分濃度はそれぞれ、PM2.5:18.3±8.8μg/m^3(n=90)、Total PAHs:1.43±1.16ng/m^3(n=90)、Total Metals:1.55±0.98μ9/m^3(n=90)であった。また、PM2.5中Total Ionsは10.7±6.5μg/m^3(n=91)、TSP中のTotal Metalsは4.25±3.28μg/m^3(n=93)であった。これより、測定期間中のPM2.5質量濃度の約6割が水溶性イオン成分であり、約1割が微量金属成分であったことが明らかとなった。PM2.5質量濃度はTotal Ionsと最も相関が高かった(r=0.78)。このことから、今回の測定期間においてはPM2.5質量濃度の変動を決めている主な要因は水溶性イオン成分濃度の変動であることがわかった。水溶性イオン成分の主なものは、もともと気体だった亜硫酸ガスや窒素酸化物が光化学反応によって酸化され、それとガス状アンモニアが反応して生成した硫酸アンモニウムや硝酸アンモニウム等のいわゆる二次粒子であることがわかった。PM2.5質量濃度とPM2.5中Total PAHsの間に相関関係は見られなかったため、この期間においては、すす状物質等の一次粒子の増減よりも、光化学的に生成した二次粒子の増減の方がより大きくPM2.5質量濃度の変動に寄与していたと考えられる。ニッケル化合物及び金属ニッケルは発ガン性を持つことから、これに着目し解析を行った。測定期間内のPM2.5中Ni濃度の平均値は8.4±7.9ng/m^3(n=83)であり、TSP中Ni濃度の40.4%を占めた。ニッケルの起源は主に石油燃焼であり、次いで廃棄物燃焼の寄与も考えられた。
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Science of the Total Environment 339(1-3)
ページ: 127-141
Science of the Total Environment 341(1-3)
ページ: 185-197
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Chemosphere (印刷中)