研究概要 |
泥炭湿地林植生および火災跡地において,ASD(Analytical Spectral Devices)社FieldSpec/HandHeldスペクトルラジオメータ(測定波長範囲:325〜1,075nm)による地表面被覆の分光放射計測を行った。全てのサンプル輝度値は,現地における白色板(Spectralon, ASD, Inc.)の反射輝度値との補正により反射率へと変換した。また,気象観測タワー上からスペクトルラジオメータ用延長光ファイバーを用い湿地林キャノピー上からの分光反射サンプル採取を行った。 1.Kalampangan-3(2°20'45.5"S,114°02'11.3"E):気象観測タワー上から計測,樹木キャノピー上(Calophyllum hosei, Combretocarpus rotundus;樹高:ca.20m)。 2.Kalampangan-4(-2°19'23.78"S,114°00'59.97"E):水路沿い火災跡地,1997・2002年の火災により表層泥炭c.a.1m焼失。植生は草本(Stenochlaena palustris, Blechnum sp., Ficus sp., Euodia Sp.)。 火災跡地調査地域の植生は、火災直後Stenochlaena palustris, Blechnum sp.の2種のみ存在したが,2年後の2004年においては,Ficus sp.や,Euodia Sp.の進入が確認できたことから,植生回復に関して,分光反射率特性に変化が見られ,植生回復モニタリングに向け貴重なデータが確保できた(Shimada et al.2004a, Shimada et al. in press)。今後,LANDSAT/ETM+およびTerra/ASTERの衛星画像を購入し,現地データとの対応を行う。また、火災により消失した泥炭地中の炭素を評価するため熱帯泥炭蓄積炭素に関するレビューワークを行い、中央カリマンタン泥炭湿地林における蓄積炭素を衛星画像データによる植生タイプ解析から推測する方法を開発した(Shimada et al.2004b)。
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