本年度は(1)これまでに得られている加速度ロガーによるデータの検討、(2)オーストラリアにおけるリトルペンギン調査、(3)測器の開発および改良をおこなった。 1.すでに得られているカツオドリ、リトルペンギン、カワウの加速度データの再検討を行い、ロガーの装着方法は防水テープによって背中の後部に装着するのがもっともノイズが少なく、安定したデータが得られること、また歩行、飛翔、水面に浮いている、潜水などの行動の判別基準が種毎に異なること、羽ばたき飛翔および潜水は背腹方向の加速度を高速で記録することで羽ばたきのの頻度と強度を検出でき、脚を使った潜水、姿勢を表す体軸角度の変化は頭尾方向の加速度を記録することが有効であることなどを確認した。これらの行動を検出するためのマクロを作成した。 2.オーストラリア、フィリップ島のリトルペンギン営巣地において、加速度ロガーによる採餌行動調査を行い、抱卵、育雛、クレイシ期の採餌トリップ中の深度および加速度データを得た。データは1次処理が終わり、今後、作成したマクロを改良しながら、行動判別、トリップ中の時間配分、加速度変化による採餌行動の検出等の細かい解析を行っていく。また飼育下の個体で嘴の動きを記録するロガーのテストを実施し、装着時には麻酔を用いることで動物への負担を軽減する必要があることを確認した。 3.リトルレオナルド社と共同開発した加速度ロガーについて、いくつか改良が必要な点を発見したため、今後の対応について検討した。またあたらに嘴の動きを検出するロガーの開発、ECG(心電位)を記録するためのロガーの開発について検討した。
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