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2004 年度 実績報告書

貯水ダムが河川性底生動物群集に及ぼす影響の複数ダム間比較による解明

研究課題

研究課題/領域番号 16710017
研究機関愛媛大学

研究代表者

三宅 洋  愛媛大学, 工学部, 講師 (90345801)

キーワード貯水ダム / 河川性底生動物 / 群集構造 / 物理化学的環境 / 保全 / 連続性 / 野外調査 / 地理情報システム(GIS)
研究概要

本研究では,貯水ダムが河川の物理化学的環境および河川性底生動物群集に及ぼす影響を,岐阜県飛騨川流域に位置する複数の貯水ダムを対象として明らかにすることを目的とした.
平成16年4月から8月にかけて,地理情報システム(GIS)を用いたデータ解析等により調査地の選定を行った.また,過去に採取した底生動物サンプルを処理・解析し,調査地選定の妥当性を検証した.9月に飛騨川に位置する15基の貯水ダムを対象として計24地点で野外調査を行い,底生動物サンプルおよび河川の物理化学的環境に関するデータを採取した.その後,採取した底生動物サンプルおよび餌資源サンプルを処理し,ダムとの位置関係による物理化学的環境と底生動物群集の違いを解析した.
この結果,貯水ダムの上流-下流間では群集構造が大きく異なるが,ダム下流で支流が合流することによりダムの影響が緩和されることが明らかになった.さらに,河川の流程に沿った底生動物の群集構造の変化を解析することにより,ダムによって底生生物相の連続性が遮断されていることが示唆された.
既存の研究の多くが単一の貯水ダムを対象としている中で,本研究は複数の貯水ダムを対象とすることにより,ダムについて一般的に見られる現象を明らかした.また,ダムと注目する地点との空間的な位置関係が,ダムの影響を考える上で重要であることを示した.この成果は,河川の保全生態学に関する新しい知見であるとともに,貯水ダム運用の参考となる応用性の高いデータを提供するものである.
ただし,これまでの解析により,貯水ダムの立地環境により河川性底生動物に及ぼす影響の規模や質が異なることが示唆されており,今後は貯水ダムの特性を考慮した解析を行う必要があると考えられる.また,サンプル類についてもさらに詳細な解析を行い,底生動物の群集構造に変異が生じた原因を河川環境と照らし合わせて明らかにする必要がある.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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