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2004 年度 実績報告書

黄砂に含まれる放射性セシウムの起源推定

研究課題

研究課題/領域番号 16710038
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

藤原 英司  独立行政法人農業環境技術研究所, 環境化学分析センター, 研究員 (20354102)

キーワード人工放射性核種 / セシウム-137 / 黄砂 / ダスト / 中国 / モンゴル / 核実験 / 放射能
研究概要

核実験に由来する人工放射性核種のうち代表的なものとして、セシウム-137およびストロンチウム-90が挙げられる。これらは、ともに半減期が約30年と長いため現在も残留しており、食物摂取に伴う内部被曝が問題とされる核種である。日本におけるセシウム-137の降下量は1990年代を通して低水準で推移したが、2000年代に入り春季に増大するようになり、2002年3月には北海道や青森など北日本において顕著な降下が認められた。この現象は大陸からの黄砂飛来と関係があるとみられているが、セシウム-137を含む砂塵の起源となっている土地の詳細や、砂塵の発生メカニズムは明らかにされていない。そこで近年砂塵発生の中心地となっている中国北部やモンゴルにおいて現地調査を実施して、草原や砂漠、畑地の複数地点で表土試料を採取し、セシウム-137の分析をおこなった。その結果、草原の表土からセシウム-137が検出され、その放射能濃度は6.5〜83.5mBq/gと高かった。しかし砂漠土壌では不検出となり、畑地では不検出〜13.4mBq/gと低かった。セシウム-137が検出された試料について、さらにストロンチウム-90も測定し、それら核種の放射能濃度比を求めたところ、表土のセシウム-137/ストロンチウム-90濃度比は草原で8.3±2.0と高く、畑地では3.7±0.8と低くなり、明瞭な傾向が認められた。以上のことから、大陸の草原表土におけるセシウム-137の蓄積が明らかになった。またセシウム-137/ストロンチウム-90比を、大陸の土壌と日本における降下物の間で比較することにより、セシウム-137を含む砂塵の起源を特定することが可能と考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 大陸の半乾燥地から飛来する放射性セシウム2005

    • 著者名/発表者名
      藤原英司, 白戸康人, 大黒俊哉, 木方展治, 城戸寛子
    • 雑誌名

      第6回「環境放射能」研究会要旨論文集 (「依頼3」)

  • [雑誌論文] 中国北部における^<137>Csの分布2005

    • 著者名/発表者名
      藤原英司, 白戸康人, 大黒俊哉, 木方展治
    • 雑誌名

      第41回理工学における同位元素・放射線研究発表会要旨

      ページ: 107

  • [雑誌論文] 黄砂と放射性降下物2005

    • 著者名/発表者名
      藤原英司
    • 雑誌名

      第21回気象環境研究会「黄砂(風送ダスト)問題と農林業」

      ページ: 67-72

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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