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2005 年度 実績報告書

マンガン酸化真菌と微量有害元素の相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16710052
研究機関静岡県立大学

研究代表者

谷 幸則  静岡県立大学, 環境科学研究所, 助手 (10285190)

キーワードマンガン酸化物 / マンガン酸化菌 / 吸着 / 重金属イオン / 吸着
研究概要

マンガン酸化真菌KR21-2の活性に与える重金属イオンの影響を調べたところ、共存重金属イオン(Co(II)、Ni(II)、Zn(II))の種類及び濃度に依存して、KR21-2株のマンガン酸化活性及び菌体増殖が影響をうけることがわかった。共存重金属イオン濃度が15μM程度の場合、マンガン酸化能への影響は見られず、KR21-2株によるマンガン酸化物形成が進行することがわかった。1mM Mn(II)、15〜20μM重金属イオン共存下での培養時におけるマンガン酸化物形成と溶存重金属イオンの減少率の経時変化から、Co(II)、Ni(II)、Zn(II)は、KR21-2株によるマンガン酸化物形成にともない溶液中から初期濃度の80%以上が吸着除去されることが判明した。Zn(II)は、マンガン酸化物の形成とともにすみやかにマンガン酸化物に吸着されるのに対し、Ni(II)は培養溶液中の溶存態Mn(II)のほとんどが消費された後に吸着除去された。これらの違いは、マンガン酸化物上に吸着しているMn(II)イオンとの吸着競合によって生じていると考えられた。
KR21-2株から2段階のカラム操作により、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で単一のタンパク質バンドを示す精製酵素を得ることができた。本酵素は、既知のラッカーゼと比較してABTSに対するKm値が大きいこと、および既知のラッカーゼにMn酸化物を形成する活性は見出されていないことから、新規酵素である可能性が示された。
KR21-2以外のマンガン酸化真菌4菌株について、分子系統的に子嚢菌に含まれる異なる分類群に帰属されることがわかった。Mn(II)存在下で培養すると、5菌株とも増殖が定常期に達した後、菌糸上にMn(III, IV)酸化物粒子を形成した。これら4菌株についても電気泳動で分析した結果、KR21-2株とは移動度及びバンド数が異なるが同様の酵素が検出された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Production of Biogenic Manganese Oxides by Anamorphic Ascomycete Fungi Isolated from Streambed Pebbles2006

    • 著者名/発表者名
      N.Miyata, K.Maruo, Y.Tani, H.Tsuno, H.Seyama, M.Soma, K.Iwahor
    • 雑誌名

      Geomicrobiology Journal 23

      ページ: 63-73

  • [雑誌論文] Ion-selective electrodes2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Tani, Y.Umezawa
    • 雑誌名

      Sensor Letters 3

      ページ: 99-107

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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