異方形状微粒子が安定に分散する「場」として中空球のナノ・マイクロ空間を利用し、各中空球内部に異方形状微粒子1粒を閉じこめた構造をもつ新規複合微粒の合成の確立を目指した。本研究で用いる基本技術は、シリカの重合過程を含むゾル-ゲル法および表面開始型リビングラジカル重合法による微粒子コーティングと選択エッチングである。さらに、作製した微粒子分散液により、微粒子の集積化・結晶化を試みた。閉じこめられた異形微粒子と中空球配列に起因した光学的・磁気的機能発現を目指した。溶液中における真球コロイドの異方化プロセスには、従来凝集過程に伴う粒径分布の不均一化が問題であった。本研究では、「微粒子の閉じこめ」によって、ナノ反応場中での均一な異方化を促進できる。また、集積体作製においては、異方形状微粒子は中空球内部に存在するため、構造単位は真球であり、従来の微粒子集積技術を適法できるという利点がある。本微粒子の作製法が確立できれば、種々の材料で多様な形状をもつ複合型異方形状微粒子の合成が可能となり、来期からは新規集積構造体の構築を目指す。
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