研究概要 |
効用最大化問題に基づくプリペイメント分析に関して、川口宗紀氏と共著で「インパルスコントロールを用いた住宅ローン・プリペイメントモデル」という論文がMTECジャーナル,18(2006),103-122(査読無し)に掲載された。 また、本研究に関する口頭発表(国際学会1件、国内学会1件)を行った。 観測不可能なプリペイメント・コスト過程に基づく住宅ローン担保証券(MBS)の分析については、国内研究集会で梗概発表を行った。 正田智昭氏との共著論文,Analyses of Mortgage-Backed Securities Based on Unobservable Prepayment Cost ProcessesがAsia-Pacific Financial Markets,11,233-266(2004)に掲載された。(発行年は2004年になっているが、発刊は2006年) その他、今年度の進捗は以下の通り (1)効用最大化問題に基づくプリペイメント分析では、プリペイメント回数を制限した場合に、ベルマン原理に基づいて実際に最適プリペイメント行動を数値的に記述することに成功したが、より一般的な場合について、現在の再帰的アルゴリズムのフレームワークで高速化させることは困難であるという認識に至り、シナリオシミュレーションによるアプローチ適用可能性の研究に着手した。 (2)住宅ローンの証券化のために考案したプリペイメントの数理モデルのフレームワークを、中途解約権付き配当支払い付き生命保険のプライシングモデルにも応用する研究を、保険プライシングで業績のある、フランスEM Lyonの01ivier Le Courtois氏と8月に集中的に共同研究を行い、モデルの定式化と数値実験の進め方を決めた。
|