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2006 年度 実績報告書

仮相市場間比較による,通信帯域市場設計の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16710109
研究機関東京工業大学

研究代表者

小山 友介  東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (80345371)

キーワード価格不安定性 / 人工市場 / ゲーミング / U-Mart
研究概要

先物取引での人間の取引による市場の不安定化を検討した.取引実験の実験プラットフォームには人工先物市場U-Martを用い,ヒューマンエージェントの取引実験大会であるU-Mart2006および過去の取引ゲーミングの結果データを分析することで,価格変動の不安定性を検討した.なお,U-Mart2006には近畿大学と中央大学の学生が参加しており,参加学生はゼミで先物取引を学び,U-Martに関する操作に関するトレーニングを積んでいる.
そこから得られた知見は以下の通りである:
1)連続した取引の途中で極端な価格乱高下が起こらないようにするためには,かなりの時間の教育・訓練が必要である.加えて,その内容は単なる知識の伝達のみではなく,操作方法(GUI)の熟達のためのトレーニング(実際の取引実験)が必要である.
2)個別の大学でのトレーニングでは安定していた価格変動は,当日の実験では安定しなかった.価格を安定させる収束は,一緒にトレーニングしたメンバーとの問での「暗黙の協調」「組織的学習」とでも言うべきものであり,新しい取引者が参加することや取引者数が増えることでまた不安定化する性質を持っているものであった.また,取引期間の終わりが近づくにしたがって,ポジション調整・利益確定を目指して取引量が増えるために価格の乱高下が激しくなる傾向は常に存在した.
3)過去の実験結果も含めて考察する限り,学生の練度が高いほど,価格変動は安定化し,また,現物価格との乖離が少なくなる(現物価格との相関係数が1に接近する)
4)過去の多くの実験で,「注文価格と数量を逆に入力してしまい,市場の暴落を招いてしまう」ことが発生した.類似の事件は実際の市場でも年に1回程度発生しており,膨大な量の情報を処理しつつ短期間で意思決定を強いられる環境では,この種のエラーが不可避な現象であると見なせるだろう.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Using U-Mart System for the lecture of Economics2007

    • 著者名/発表者名
      Yuhsuke KOYAMA, Ko Ishiyama, Hiroyuki Kaneko, Isao Ono, Hiroyuki Matsui
    • 雑誌名

      Agent-Based Approaches in Economic and Social System IV Vol.1, No.1

      ページ: 1-8

  • [雑誌論文] エージェントベースシミュレーションの変質と経済学からの乖離2006

    • 著者名/発表者名
      小山友介
    • 雑誌名

      広島国際研究 Vol.12, No.1

      ページ: 55-70

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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