研究課題/領域番号 |
16710112
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
稲垣 景子 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助手 (20303076)
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研究分担者 |
吉田 聡 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (80323939)
佐土原 聡 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (90178799)
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キーワード | 水害 / 災害情報 / 時空間情報 / 地理情報システム / ハザードマップ / DEM / 防災 |
研究概要 |
本研究では、土地の被災危険性を把握し事前・事後対策に役立てるため、地域の水害に対する脆弱性を明らかにし、情報技術を活用し都市型水害を誘発する時空間情報のデータベース化・解析・表示手法の検討を行う。 本年度は、GIS(地理情報システム)上で航空レーザー測量による高精度の標高データにより微地形を把握し、浸水被害との関連性の分析を行った。まず、水害履歴の地図化を行うため、床上・床下浸水住家の住所記録を元に標高を考慮し浸水エリアを推定する手法を検討した。次に、微地形を考慮し集中豪雨による浸水シミュレーションを行った結果、被害地点を街区レベルで再現でき、市街地の水害対策における高精度DEMデータの利用可能性が高いことがわかった。今後きらに、雨量、河川・下水道整備状況、河川ポンプ処理能力、遊水地等の貯留容量や都市開発状況等の社会的背景を考慮し、土地条件図や古地図等の既存の地図情報も参照する。 また、2004年10月に台風22号で浸水した横浜駅西口周辺を対象に浸水高の実測調査と住民へのヒアリング調査を元に浸水エリアを地図化した。これらの水害履歴、地形(2.5m、10m、25m、50mメッシュ各標高データ)、雨量観測点と雨量、土地被覆、建物、雨水処理施設等のデータをGIS上で一元化し、本研究の中で最も重要な時空間データベースの構築を進めた。今後これらのデータを利用し、水害履歴や危険エリア抽出に必要なデータ精度、汎用性についてさらに検討を行う。 さらに、2004年7月には福井水害の現地調査を行うとともに、新潟水害や豊岡水害等、今年度、各地で発生した水害の情報収集を行った。また、行政や公共公益機関における災害情報収集・提供システム、ハザードマップの整備状況や各種データ等の技術開発状況について情報収集を行った。
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