| 研究概要 |
本研究では,角型構造の大規模非線形離散最適化問題に焦点をあてている.特に,角型構造の大規模0-1/整数計画問題は,分割不可能な製品に対する多期間生産計画問題や複数のプラントを含む大規模発電システムにおける信頼性を考慮した保守計画問題などにおいて見受けられ,このような問題に対して,これまでに筆者らにより提案されている分解手続きを含む3重構造文字列遺伝的アルゴリズムの拡張を行うとともに,分解手続きと戦略的振動を含むタブー探索法の提案も行い,これらを組み合わせて相互の欠点を補完したメタヒューリスティクスを考案することにより,角型構造の大規模非線形離散計画問題に対する実用的かつ汎用的な並列分解解法の提案を行うことを目的としている.そこで,今年度は,これまでに一般的な解法が確立されてきていない大規模非線形離散計画問題に対して,分解手続きを含む3重構造文字列遺伝的アルゴリズムによる近似解法の構築に取り組んだ.具体的には,まず,現実社会で見受けられる大規模離散システムの最適化問題の数学モデルとしてしばしば見受けられる角型構造の非線形整数計画問題として定式化を行った.次に,これまでに,角型構造の線形0-1計画問題に対して,筆者らが提案し,有効性を示してきた3重構造文字列遺伝的アルゴリズムに基づいて,非線形性および整数性に対応した新しい並列的かつ分解的な進化的計算手法を考案した.さらに,考案された新しい遺伝的アルゴリズムを,様々な規模の数値例に適用し,有効性・問題点を検討した.
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