研究課題
人工先物市場U-Martシステムを利用し、以下の4点を明らかにした。(1)近畿大学の谷口氏、京都大学の松井氏、東京工業大学の小山氏と共に大阪産業大学、近畿大学、千葉工業大学で実施したヒューマン実験のログデータを分析した。その結果、経験を通じて約定率が上昇すること、ポジション管理が上手になり、いわゆる「損切り」ができるようになること等を明らかにした。(2)U-Mart研究プロジェクトが主催した公開実験UMIE2004のログ解析を行い、パフォーマンスの良い投資アルゴリズムの条件を明らかにした。伝統的なテクニカル分析では良いパフォーマンスが得られず、強化学習やニューラルネット、ファジー学習などの人工知能技術を利用したオンライン学習アルゴルズムを含むエージェントが良い結果を示した。短期的な市場の趨勢を読む能力が必要とされている事がわかった。(3)大阪市立大学の植木氏との共同研究により、実証データと数種類の投資エージェントからなる市場から得られたデータを時系列分析し、市場が適当な複雑さを持つ時に尖度の高い分布が見られることを明らかにした。(4)大阪市立大学の塩澤氏との共同研究により自分の保有在庫を自動調整するマーケット・メーカーのモデルを作成し、その投資パフォーマンスと市場の流動性向上への効果を調べた。その結果、このマーケット・メーカーが参加することで、ランダムに流動性を提供するエージェントに比べて10%約定率が上昇すること、また、このマーケットメーカーが安定して年率1%程度の利益を得られることなどを明らかにした。また、市場参加者の組み合わせの違いが市場にどのような影響を与えるのかを分析しており、17年度中に発表する予定になっている。
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すべて 雑誌論文 (8件)
計測と制御 Vol.43 No.12 特集号
ページ: 956-961
proceedings AESCS
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Proceedings of NAACSOS (CD-ROM)
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Gaming, Simulation, and Society ((edit)R.Shiratori, K.Arai, F.Kato)(Springer)
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