研究概要 |
回収ロジスティクス・システムにおける協調管理方策の開発に関する平成16年度の研究実績を以下に挙げる. [1]Utility of Outsourcing Service Agency for Return Processing Operations(オンライン販売における返品業務代行サービス利用の有用性) 従来の店頭販売などの販売方法に比べてオンライン販売では実物を確認せずに取引が行われる場合が多く,返品の発生率が高い傾向にある.最近EC業者に代わって返品の点検・再包装,保管や処分などの処理を行う返品業務の代行サービスを行う企業が注目されている.そこで,本研究では返品業務代行サービスを利用した場合のオンライン販売を取り上げ,販売した商品の返品率と返品が再利用可能となるまでの期間の短縮率を変動させ,返品業務代行サービスを利用しない場合と利用する場合との比較を行った.具体的には返品業務代行サービスを利用する場合としない場合の商品の最適初期発注量および期待利益の比較から返品業務代行サービス利用の有用性について考究した. [2]Manufacturing Policy in Supply Chain with Uncertain Delivery Lead-Time(配送リードタイムが不確実なサプライチェーンにおける最適生産方策) マニュファクチャラーは,サプライヤーの配送リードタイムの不確実さは避けられず,顧客需要と配送リードタイムの不確実さの両方に直面する状況が考えられる.本研究では,配送リードタイムが不確実なサプライチェーンにおける最適発注方策を提案し,サプライヤーからの資材到着遅れの度合いによるマニュファクチャラーのサプライヤー選択への影響について数値検証を行った.さらに,配送リードタイムが不確実なサプライチェーンにおける生産量の最適決定方策にっいても考究した. [3]Utility of Agency for Collection and Disassembly in a Remanufacturing System with Product-Life Cycle(製品寿命を考慮したリマニュファクチャリングシステムにおける回収・分解業務代行サービスの有用性 単一期間での受注需要に応じるため生産工程に良品資材を投入し生産した場合でもその加工品にはある不良率のもとで不良品が存在する.Kusukawa & Ohtaは製品/加工品(外部/内部)の回収・分解・再生・再利用を行うリマニュファクチャリング・システムでの多段工程への最適投入計画を提案した(従来方策).ただ,従来方策では回収品の製品寿命を考慮しておらず,扱う回収品によっては製品寿命を考慮に入れて部品の投入計画を行う必要がある.そこで,本研究では外部/内部回収品に製品寿命を考慮した場合の多段工程への最適投入計画を提案した.この際,回収品の回収・分解業務を代行サービス(ACD)に委託した場合の有用性についても考究した.
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