研究概要 |
1.シロイヌナズナのトランスポゾン挿入変異体の育成率の測定 私たちがこれまでに作製していたトランスポゾン挿入変異株の中で、遺伝子への挿入が予測されるラインを選別し、これまでに合計4,768ラインについて種子50粒ずつをプレート培地に播種し、初期育成率を測定した。その中で育成率が50%未満であった110ライン(2.3%)について、再現性の確認と各16個体のトランスポゾンの挿入状態を各々のオリゴDNAプライマーを用いたPCR法により測定した。その結果、約40ラインについてはトランスポゾンのホモ挿入個体が得られず、致死表現型変異体の候補と考えられた。現在、原因遺伝子の確定と表現型のさらなる分類を進めている。 2.シロイヌナズナの形態観察による表現型データの記録 遺伝子への挿入が予測されるラインについて、プレートで約3週間育成の後、各ライン8個体ずつを土に植え換え植物体を育て、形態に異常の観察されるラインについてデジタル画像によって記録を取った。これまでに行った植物体地上部の観察で比較的はっきりした目に見える表現型を示したラインに関して、再現性が得られるか調べた。その結果、139ライン(219表現型項目)のデータが得られ、これは観察を行ったラインの約3%に相当した。 3.シロイヌナズナの表現型データのデータベース化に向けた準備 上記の表現型解析によって得られた変異体の情報について、主にシロイヌナズナの生育段階に沿ったかたちで8つの大きな表現型カテゴリー(Seedling, Leaves, Flowering & Growth, Stems, Branching, Flowers, Siliques, Seed yield)を設定し、さらに合計43個の表現型サブカテゴリーに分類した。
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