• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

糖鎖修飾によるタンパク質活性化調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16710164
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

清水 史郎  独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 研究員 (30312268)

キーワード糖鎖修飾 / 転移 / マトリックスメタロプロテアーゼ / RECK / がん細胞
研究概要

多くのタンパク質はその機能を発揮するために「適切なアミノ酸」が「適切な時期」に「適切な翻訳後修飾を受けること」が必要である。代表的な翻訳後修飾として「リン酸化」や「糖鎖修飾」が知られている。リン酸化のシグナル伝達機構については詳細に検討されている一方で、糖鎖修飾は小胞体やゴルジ体における糖鎖付加後のトレミングやプロセシングの各段階は詳細に検討されているものの、糖鎖修飾されたタンパク質の機能変化については不明な点が多く残されている。また、がん細胞で過剰発現または発現低下しているタンパク質の中で糖鎖修飾を受けるものが多数知られているが、それら分子に糖鎖が付加されるとどのような活性変化が誘導されるかは不明である。
上記背景から、がん細胞の転移・浸潤に関与しているマトリックスメタロプロテアーゼ阻害因子、RECKの糖鎖修飾に着目した。RECKの1次配列からは5ヶ所の糖鎖修飾が予想されたが、変異体やグリコシダーゼを用いた解析から、RECKは86,200,297,352の4箇所のアスパラギン残基が糖鎖修飾されていることが分かった。いずれの糖鎖修飾も、GPIアンカーとして細胞外膜への局在には必要なかった。一方、MMP-9分泌抑制能にはアスパラギン297の糖鎖修飾が、またMMP-2の活性化抑制にはアスパラギン352の糖鎖修飾が必要であった。さらに、RECK発現細胞ではがん細胞の浸潤能が低下するが、糖鎖修飾が欠損している細胞を発現させるとがん細胞の浸潤能は低下しなかった。
これらの結果より、RECKはその発現だけでなく、糖鎖修飾によってもMMP-9抑制能、MMP-2活性化抑制能、さらにがん細胞浸潤抑制能が調節されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Phoslactomycin targets cysteine-269 of the protein phosphatase 2A catalytic subunit in cells2005

    • 著者名/発表者名
      Teruya, T., Simizu, S., Kanoh, N., Osada, H.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 579

      ページ: 2463-2468

  • [雑誌論文] Photo-cross-linked small-molecule affinity matrix for facilitating forward and reverse chemical genetics2005

    • 著者名/発表者名
      Kanoh, N., Honda, K., Simizu, S., Muroi, M., Osada, H.
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition 44

      ページ: 3559-3562

  • [雑誌論文] RECK-mediated suppression of tumor cell invasion is regulated by glycosylation in human tumor cell lines.2005

    • 著者名/発表者名
      Simizu, S., Takagi, S., Tamura, Y., Osada, H.
    • 雑誌名

      Cancer Research 65

      ページ: 7455-7461

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi