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2004 年度 実績報告書

琉球列島の絶滅危惧爬虫類に関する遺伝的多様性の解明とその保全

研究課題

研究課題/領域番号 16710168
研究機関信州大学

研究代表者

本多 正尚  信州大学, 医学部, 助教授 (60345767)

キーワードクロイワトカゲモドキ / リュウキュウヤマガメ / 遺伝的多様性 / 保全 / 絶滅危惧種 / 隔離 / ミトコンドリア / 琉球列島
研究概要

絶滅危惧IA、IB、II類に指定されるクロイワトカゲモドキ各亜種については、適正な手続きのもと既に採集してあった京都大学博物館所蔵の組織標本を用いて、これまで分析できなかった亜種も含めてミトコンドリアDNA解析した。本種に関しては、同一亜種に分類される沖縄島の基亜種が北部個体群と南部個体群で少なからず遺伝的に分化していることが報告されていたが、今回の研究でこの遺伝的分化が他の亜種間の遺伝的分化に匹敵することが明らかになった。また、久米島個体群と同一の亜種に分類される渡名喜島個体群も他の亜種間と同等の遺伝的分化を起こしていることが明らかになった。これは、各亜種がこれまで予想された以上に各地域個体群間で分化を起こしていること、これまで適切は評価を受けなかった個体群の追加など保全の単位がさらに細分化されるべきであることを強く示唆する。また野外調査に関しては、沖縄島南部個体群の主要な生息域である斎場御嶽が世界遺産の指定による観光客の増加のため、個体数の減少が懸念された。
絶滅危惧II類、および国の天然記念物に指定されるリュウキュウヤマガメに関しては、さらに分析個体数を増やして実験を行った。その結果、これまでの結果と同様に各個体群内で極めて遺伝的多様性が低いこと、および島嶼間での遺伝的分化も極めて低いことが明らかになった。本種は島嶼間での隔離が比較的長いと考えられているが、今回の分化は近年の分散のため隔離期間が比較的短いと考えられるヘリグロヒメトカゲの遺伝的分化に匹敵するものであり、このようなカメ類の遺伝的な分化に関しての評価には特に留意する必要性があることが示唆された。さらに本種に関しては研究協力者と継続して、生態的な調査を行い、個体数や分布域など基礎的なデータの収集に努めた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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