本研究では、西新宿を高度経済成長期・都市計画の象徴として捉えている。 そのような西新宿において、路上生活者が日常的に「暮らしている」。それはバブル以降、急激に増加している路上生活者が、これまでの山谷や寿町のように、寄せ場に集まって、そこから路上生活者と簡易宿泊所の行ったり来たりを繰り返す生活を経ての状況ではなく、そうした経験を踏まえずに、いきなり路上に出てきており、状況が変化している。大きな状況変化の対象として西新宿が選ばれたことにも意味があるように考えられる。 そこで去年度は、路上生活者支援施策について、調査した。 また2004年景観法制定に象徴されるように、景観という言葉に集約される、都市空間のあり方についての関心も高まっている。しかしながら、しばしば西新宿の景観は否定的に扱われる。 そこで今年度は、西新宿の景観について、調査した。 西新宿の景観は、大規模な都市施設として開発されたという歴史的な経緯が、少しずつ漸進し蓄積していくという要素を全く持ち合わさせなかった。 それでも、超高層ビル群のすぐ西で、日本最高高さの再開発事業が控えており、地元の方々の存在も大きくなってきている。 今後は、超高層ビルの周辺街区との関係性を検討する必要がある。
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