本研究の課題は、性別職域分離の視点から、先進諸外国の女性労働政策を検討することである。とくに性別職域分離をめぐって異なる政策をもつアメリカとスウェーデンをとりあげ、両国の性別職域分離の実態および法制度を調べることを目的としている。 2004年度は、前半に、イギリスのLondon School of Economicsを拠点に、ヨーロッパの女性労働政策に関する資料の収集および企業、労働組合への実態調査、後半は、3度にわたる渡米により、アメリカの女性労働政策に関する資料収集をおこなった。 2005年度は、12月から1月にかけて、イギリスおよびスウェーデンを訪問することを計画し、その準備をすすめてきた。だが、10月の段階で、妊娠していることが分かり、調査を全面的に延期せざるをえない状況となった。スウェーデンへの訪問は、実態調査の実施とともに、スウェーデンのナショナルセンターLOの政策担当者らが主催するGlobal Labour Projectという国際会議へ出席することを予定していたが、これも欠席せざるをえなくなった。そのため、国際会議には、代理の出席者をたて、ディスカッションペーパーを提出し、今後につなげることにした。 以上の通り、今年度は都合により、予定していた海外調査はすべて実施できなかったため、主に国内における文献収集および来年度に実施を予定している海外調査に向けた下準備に時間を費やした。また、当初予定していた海外調査費は、海外調査の際に必要な備品等の購入費用にあてた。
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