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2005 年度 実績報告書

怨霊観念に現れた日本人の情念理解に関する倫理思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16720002
研究機関弘前大学

研究代表者

木村 純二  弘前大学, 人文学部, 助教授 (00345240)

キーワード日本倫理思想史 / 情念 / 怨霊 / 和辻哲郎 / 折口信夫
研究概要

研究2年度となる今年度は、研究初年度に大きな問題として浮上してきた方法論上の問題を中心的な課題とし、取り組んだ。初年度に確認されたのは、「物の怪」や「因果応報」といった当時の通念ないしテキスト上の概念を、現代のわれわれが理解し得るものとして、どのような概念に置き換え説明していくかという問題であり、それを考えていく上で、柳田国男・折口信夫といった近代の民俗学者や、和辻哲郎・九鬼周造といった近代の哲学者・倫理学者の知見を再検討することが有効であるというねらいであった。
今年度は、そうした初年度の成果を踏まえつつ、特に和辻哲郎と折口信夫に焦点を絞り、彼らの日本思想に関する述作を中心に研究を進めていった。そのうち、和辻哲郎に関しては、哲学系の学術雑誌として伝統のある『理想』の和辻特集号に寄稿の依頼があったため、本研究の成果を生かしつつ、現在論文を作成中である。平成18年度の中旬までには刊行される予定である。また、折口信夫に関しては、更にまとまったかたちで成果を発表することになるため、それをまとめることが来年度の大きな目標となる状況である。
また、昨年度以来、本研究を通じ発表した論文「情念論のゆくえ」・「宿世の思想」において、『源氏物語』を日本倫理思想史の立場から捉え返すことを試みたが、それが一定の評価を受け、同じく日本倫理思想史に携わる若手研究者の間で『源氏物語』を共同で研究する機運が高まり、来年度以降、継続的に研究会を開催する計画が進んでいることは、大きな成果として記しておきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 宿世の思想2005

    • 著者名/発表者名
      木村純二
    • 雑誌名

      哲学会誌(弘前大学哲学会編) 39号

      ページ: 13-22

  • [雑誌論文] 日本中世の人間観に関する一考察 〜『説経節』をめぐって〜2005

    • 著者名/発表者名
      木村純二
    • 雑誌名

      東北哲学会年報 21号

      ページ: 77-78

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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