研究概要 |
本年度の研究実績として、国内で二回、海外で二回の研究報告を行った。 1 「朱伯崑著『易学哲学史』翻訳的意義」、第二屆国際易学与現代文明学術研討会(於台南・台湾中華民国周易学会、2005年11月27日〜30日)、分組会議、同28日 2 「用簡帛文獻來新解釋的可能性--《孟子・萬章下》「其至爾力也,其中非爾力也」的解釋」、出土簡帛文獻與古代學術國際研討會(於台北・国立政治大学、2005年12月2〜3日)、第八場、同3日 3 「簡帛『五行』による『孟子』萬章下篇の再解釈の可能性」、中国出土資料学会2005年度第2回例会(総34回)(於成城大学、2005年12月10日) 4 「『日書』より見た『周易』卦爻辭の用語・語法に関する考察」、国際シンポジュウム「易と術数研究の現段階」(於東京大学(本郷)、2005年12月11日(日)) 上記の研究報告を通して、或いはその後の考察の中で、明らかになったことは次の通りである。 朱伯崑著『易学哲学史』は、旧来の経学史の枠組みを脱して、易学哲学によって中国哲学史をより発展させ深化したうえに、特にその象数的な思維や理論を、より詳細に系統的に、分析し説明した所に、大きな学術的価値がある。伝世文献やその注釈に拠って新出の簡帛文献を解釈するという従来のあたりまえの方法を逆転させて、簡帛文献に拠って伝世文献を解釈する試みも、今後は必要であろう。また、『周易』卦爻辞と『日書』の占辞との比較から、『日書』の類の占辞は、『周易』の卦爻辞の材料の一つであると言ってよい。次年度は、この考察の詳細を論文に纏める予定である。
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