まず、平成17年は6月25日に九州大学大橋キャンパスで行われた日本デザイン学会第52回研究発表大会において「アーデルベルト・ニーマイヤーの食器デザインと装飾パターン」という題目で口頭発表を行った。本発表は、連合工房に関連する研究の一部である。 8月29日から9月22日までドイツにおいて資料調査。8月30日から9月2日までミュンヘンの州立図書館、9月5日から9日および19日から21日まで中央美術史研究所において1900年、1904年および1910年の万国博覧会、1902年トリノ国際装飾博覧会等、博覧会の公式カタログ所収の連合工房出品作の洗い出しを行った。9月12日から16日まではニュルンベルクのゲルマン国立博物館において連合工房に関わったデザイナーらの人物略歴および連合工房に関する論文を収集した。 上記の海外調査に基づき、10月中は学内紀要原稿の執筆を行い、同月31日に紀要原稿を提出。 11月19日、美術史学会西支部例会において「ミュンヘン手工芸連合工房の活動理念と博覧会活動」と題して紀要原稿を基に研究発表を行う。 12月、ドイツ近代工房史年表の作成。 3月13日から15日まで、京都工芸繊維大学附属図書館においてドイツの美術工芸雑誌『装飾芸術』、『ドイツ美術と装飾』、『室内装飾』を閲覧、ブルーノ・パウルのタイプ家具プログラムに関する記事を収集。 3月末日発行の『長崎大学教育学部紀要-人文科学-』No.72には、論文「ミュンヘン手工芸連合工房の会社組織と博覧会活動:1899-1904年」を掲載の予定である。 以上の調査研究により、本年度はミュンヘン手工芸連合工房の1900年から1904年までの作品と万国博覧会を中心とした活動内容についておおむね明らかにした。
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