平成18年5月19日は京都工芸繊維大学附属図書館においてドイツの美術工芸雑誌『装飾芸術』の第4巻(1900/01)、第5巻(1901/02)、第10巻(1906/07)、第12巻(1908/09)、および1898年から1906年までの『ドイツの芸術と装飾』に掲載されている工芸工房の広告についての調査を行った。この時の調査結果は、平成18年6月10日に大阪大学中ノ島センターにおいて行われたシンポジウム「ドイツ語圏の近代工芸運動」(科学研究費補助金基盤研究(B)「近代工芸運動の総合的国際比較研究」代表者:藤田治彦、大阪大学)の中で「ドイツの近代工芸工房」と題して口頭発表を行った。また、『近代工芸運動の総合的国際比較研究』(平成16〜18年度科学研究費補助金基盤研究(B)研究成果報告書、平成19年3月発行、研究代表者:同前)にも同名の論文を発表した。 平成18年8月3日から10日まではミュンヘンの中央美術史研究所図書館において、手工芸連合工房が出展したドイツ国内の展覧会カタログ及び手工芸連合工房の主要な図案家ブルーノ・パウルに関する論文の閲覧、収集、撮影を行った。この調査による成果のひとつは、平成19年3月発行の『長崎大学教育学部紀要-人文科学-』に発表した。また、平成19年6月の日本デザイン学会において「ブルーノ・パウルのタイプ家具についての一考察」と題して研究発表を行う予定で3月26日に梗概原稿を提出した。 こうした調査、発表を行う一方、報告者が平成16年度から海外で収集を行ってきた、手工芸連合工房の展覧会カタログ出品リスト、手工芸連合工房に関する雑誌の記事、手工芸連合工房が制作した作品の写真をまとめており、研究成果報告書として近日中に冊子化する予定である。
|