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2004 年度 実績報告書

モダニズム演劇における神秘思想の政治的機能とその間テクスト性に関する比較文化研究

研究課題

研究課題/領域番号 16720053
研究機関東北大学

研究代表者

岩田 美喜  東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (50361051)

キーワードモダニズム演劇 / 神秘思想 / 古典劇 / ポストコロニアリズム / 社会受容史 / 宗教演劇 / アイルランド / 能楽
研究概要

当該年度の前半は資料収集に重点を置き、過去の舞台を映像化した作品を含め、イギリス演劇、また比較文化的なアプローチのため、能と狂言を中心とした日本の伝統芸能に関する上演と文献に関する基礎研究を行った。その経過のうちに、詩劇の復活を図ったT.S.エリオットやアイルランド文芸復興運動に積極的に関わったW.B.イェイツなどの例を見るまでもなく、モダニズムの演劇には「古典以来の演劇伝統の継承と変化・発展」という問題が大きな役割を果たしていることを再確認した。こうした問題をより広い視野で捉えるために、本研究者は当研究が取り扱う範囲を17世紀後半から20世紀に及ぶ3世紀半へと拡大し、モダニズムを一つの到達点と捉えた上での演劇上演の受容・社会史に対する考察を進めることにした。
以上のような基礎研究をふまえ、当該年度の後半は研究の成果発表に力を入れた。2004年10月9-10日に同志社大学京田辺キャンパスで行われた第43回シェイクスピア学会では「反逆局長John Ogilby-王政復古期のダブリンにおけるBartholomew Fair上演の問題-」と題する研究発表を行い、初期資本主義が花開いたルネサンス期のロンドンの市場を舞台にした喜劇が、半世紀を経た植民地ダブリンで上演された経緯と、その政治的な背景とを明らかにした。この発表は論文として『文化』に掲載予定である。その他にも、T.S.エリオットの宗教詩劇には古代ギリシャ劇、中世キリスト教劇、探偵小説など、時代を異にする様々な言説が組み込まれていることを指摘した上で、宗教劇の現代上演の可能性を考察した論文など、本年度は計3本の論文が2005年3月に発表されることになっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 反乱局長ジョン・オーグルビー-王政復古期のダブリンにおける『バーソロミュー市』上演の問題2005

    • 著者名/発表者名
      岩田 美喜
    • 雑誌名

      文化 68巻3.4号(印刷中)

  • [雑誌論文] -誰が<殉教>を殺したか-『寺院の殺人』に組み込まれた中世劇、ギリシア悲劇と探偵小説の重層関係2005

    • 著者名/発表者名
      岩田 美喜
    • 雑誌名

      川内レヴュー 英語文化比較研究 4号(印刷中)

  • [雑誌論文] Irish Dandy : Wilde's Unnaturalism in The Importance of Being Earnest2005

    • 著者名/発表者名
      岩田 美喜
    • 雑誌名

      東北大学文学研究科研究年報 54号(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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