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2005 年度 実績報告書

19世紀ドイツ散文文学における「身振り」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16720059
研究機関東京都立大学

研究代表者

高本 教之  東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)

研究概要

昨年度日本独文学会編の「ドイツ文学」に掲載した論文-見えない音符と遊歩的語り-E.T.A.ホフマンの二つのベルリン物語『騎士グルック』と『いとこの隅の窓』をめぐって-のドイツ語要約版が、今年度の業績の一つである。"Die unsichtbaren Noten und ein Erzaehlen als Flanieren. Ueber E.T.A.Hoffmanns Ritter Gluck und Des Vetters Eckfenster"。これも、日本独文学会編の「ドイツ文学」欧文誌に掲載し、研究の成果をひろく世に問うた。なお、当雑誌の刊行年は奥付には2004年となっているが、実際に発行されたのは、2005年春であることを付記しておく。以下に内容を要約するならば、小説がその形状(紙に文字で書かれている)において、かつまたその受容(読者は文字の連なりを追う)において、本来性として有していると言える線状性(Linearitaet)を、19世紀の作家ホフマンはいかに意識し、またそれによっていかに書き方が変わっていったかという点を焦点とした論考である。本研究の題名となっている、散文作品における「身振り」の研究とは、作品内に読まれる登場人物間の身振りを追うのみならず、このように、作家の「書き方」をも書き手の身振りとして探求することを含意している。
訳書として発表した『なぜウソをついちゃいけないの』は、「南ドイツ新聞マガジン」連載の「悩み相談室」のような体裁を持つ、一見して軽めの読み物であるが、しかし、その実は独自の形式を有している。すなわち、古今の哲学・倫理学をはじめとする先賢の言葉が各章に数点コラムとして引用されており、現代社会におけるその有効性を問い直していると言える。ゆえにまた、訳出においては専門用語をなるべく用いないなど考慮し、全編新訳で発表した。なかでもイマヌエル・カントの定言的命令には大幅に紙数が割かれており、当研究の眼目である作家クライストのいわゆる「カント危機」を見つめ直す点でも、新訳の訳稿作成作業は、非常にためになるものであった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Die unsichtbaren Noten und ein Erzaehlen als Flanieren. Ueber E.T.A.Hoffmanns Ritter Gluck und Des Vetters Eckfenster2004

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki TAKAMOTO
    • 雑誌名

      Neue Beitraege zur Germanistik 3/5

      ページ: 229-231

  • [図書] なぜウソをついちゃいけないの-ゴットフリートおじさんの倫理教室(モラルレッスン)2006

    • 著者名/発表者名
      ライナー・エアリンガー
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      KKベストセラーズ

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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