• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

中国魏晋南北朝志怪の成立背景-歴史意識・人間観・宗教

研究課題

研究課題/領域番号 16720073
研究機関京都大学

研究代表者

佐野 誠子  京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80359827)

キーワード志怪 / 天と神 / 宗教者の伝記 / 出生祥瑞 / 祠廟
研究概要

今年度は、研究課題の内、宗教と志怪の関係を探る部分を中心に進めた。
「民間祠廟記録の成」は後漢後半期から民間の祠廟が、国家を転覆しかねない勢力を持つに至り、官側からの関心が高まったために、それまでは記録されなかった民間祠廟の事件が文字化されるようになったことを説いた。この論考は後漢時代の話が主となっており、引き続き、魏晋南朝時代の祠廟記録が記録された背景について探っていく予定である。
「道仏宗教者の出生の不思議-あるいは神話と伝記」は、魏晋南北朝時代に勃興・隆盛した、道教、仏教の宗教者の伝記に次第に出生にまつわる不思議な現象の記録について検討した。このような出生の不思議は、本来、聖性を帯びた宗教の始祖や支配者についてのみしか語られなかったが、宗教者が神に代わって神聖視されることで、時代があとになるほど、不思議についての記録が増加していくことを指摘した。また、この種の話は本来は印度や聖域の仏僧についての話が起源であり、それが中国の僧侶にも影響し、更には道教徒にも取り入れられたという影響関係を証明した。
「志怪中所見天和神(志怪中に見える天と神)」は、特定の宗教によらない、中国的な天や神の根本的な概念を探るために、志怪に見られる、天や神の概念を検討した。中国人にとっての天は、思想書のみならず、民間信仰のレベルにおいても、姿を取らない抽象的な存在であり、それに対して、神は姿をもち、人間と直接会話をするような存在であることを論証した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 民間祠廟記録の形成2005

    • 著者名/発表者名
      佐野誠子
    • 雑誌名

      中国文明の形成(小南一郎編)朋友書店

      ページ: 241-266

  • [雑誌論文] 道仏宗教者の出生の不思議-あるいは神話と伝記2005

    • 著者名/発表者名
      佐野誠子
    • 雑誌名

      三教交渉論叢(麥谷邦夫編)道氣社 (予定)

  • [雑誌論文] 志怪中所見天和神2005

    • 著者名/発表者名
      佐野誠子
    • 雑誌名

      漢魏晋南北朝文学与宗教(葛暁音編)上海古籍出版社 (予定)

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi